「天地明察」 安井算哲(渋川春海)
金王八幡宮は、社伝によれば1092年、
渋谷氏の祖となった河崎基家(渋谷重家)
によって創建されたとされる。
金王八は、渋谷金王丸が由来。源頼朝を支え、
勇将らしい立派な最期を遂げました。
社内には頼朝が金王丸を偲んで御影堂を安置している。
金王丸の名は平治物語、源平盛衰記、吾妻鏡、
平家物語などにみえ、その武勇のほどが偲ばれます。
※江戸時代には徳川将軍家の信仰を得、
3代将軍徳川家光の乳母春日局は神門、社殿を造営。
ここ金王八幡宮は、小説「天地明察」の主人公
安井算哲(渋川春海)が算術の絵馬を見て感動する場所。
ここから物語が展開していきます。
渋川春海は徳川家に仕える碁打ち4家のうちのひとつ。
碁の才能もありつつ、算術にのめり込みやがて天文学の境地に携わる。
そして、当時日本各地で統一されておらず誤差も多かった「歴」を
正すという歴史に残る一大事業を為しました。
この小説の中では人徳者として名高い保科正之公が登場し、
そのお人柄や数々の政策、またその理由などが
書物の中で明々と描かれていることや、『大日本史』を編纂した
水戸光圀公も登場しており読みごたえがあります。
また、物語の中で、現代では考えられない当時の常識を知ることができ、
歴が改定されるまで主人公が孤軍奮闘し、奇跡的に事を為すまでの
ストーリーが鮮明に描かれ、主人公の人柄も良く読み応えのある内容でした。
[ – sara 桜羅 – ]
金王八幡宮
https://www.konno-hachimangu.jp/index.html