「能楽」は心を整える芸術

能楽と聞いて、「眠くなる」とか「退屈」と思っている人も多いはず。
実は能楽の知識を少しだけ頭に入れるだけで、能楽の面白さや深さが分かってくるのです。
能楽は一言で言えば、究極のシンプル芸術です。
西洋の舞台とは真逆と言えます。西洋の舞台は、大掛かりなセットに身体全体を使ったセリフ回しが特徴的。
この舞台になれた日本人は、能楽を見ると退屈と思うのは当然なんです。

能楽は、西洋の演劇のようにオーバーな演出、演技ではありません。
あらゆるものをそぎ落とした、シンプルな芸術です。
その結果、観客側が自ら想像することで、舞台を完成させていくのです。
能面は、わずかな顔の動きで、光の当たり方が変わり、笑顔、怒り顔あらゆる表情を演出します。
舞台は、奥に松の絵が描いてあるだけで、その舞台ではあらゆるシーンを想像させます。

そのように、自分で想像することで、自分と向き合い、自らの心が整えられていくのです。
座禅にも似た芸術です。美術館のような芸術という方もいます。

日々、スピード社会の中で生活していると、自分の心は常に焦りやざわつきの中にいます。
能楽を観劇することで、心は落ち着き、平静を取り戻すでしょう。

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