sara 桜羅読み物自然/環境保護/SDGs

蜂がいなくなったら、人は4年以上生きられない。

アインシュタインは、「もし、蜂が地球上からいなくなると、人間は4年以上生きられない」と予言しました。

それは、蜂が食物を育てるのに欠かせないからです。


■蜜蜂の役割
蜂は草花の受粉を行い農産物の交配に大きく寄与し、
ほとんどの果樹が今やミツバチなしでは生産できず農作物の収穫に大きな役割を果たしています。
国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、世界の食糧の90%を供給している約100種類の作物のうち、71種類がミツバチの花粉媒介によるものと試算しています。
また、蜂は草木に授粉して豊かな森をつくっています。ミツバチがいる森はドングリも多く、動物たちも棲みやすくなります。また、川や海の生物も増え、農業や魚業も豊かになります。



■日本ミツバチと現状
日本には、古代から生息する野生種の日本ミツバチと、明治初期に海外から導入された西洋ミツバチの二種類があります。西洋ミツバチは日本ミツバチより生命力が強く、現存している日本ミツバチの数は非常に少なくなっています。現在は、国内で市販のハチミツの95%以上が中国などの輸入品となり、国内の養蜂が5%(5千人弱)、さらに天然と呼ばれる日本ミツバチとなるとさらに少なくなり、西洋ミツバチの量と比べると0.1%に満たないほどとなります。
日本ミツバチは本州の自然破壊のない山間地でしか確認されておらず、かろうじてその飼育が残るだけという状態になり、大変貴重な存在です。現在の国内の山間地は植林や伐採、農薬により大きく変わり、日本ミツバチが生息できる環境は少なくなりました。



[ – sara 桜羅 – ]

■ミツバチの歴史
ミツバチの歴史は長く、約1万年前からミツバチの巣からハチミツを採っていました。日本では最も古い文献として「日本書紀」に記載されています。
643年「日本書紀」記事「百済から来た太子の余豊が大和の三輪山で蜜蜂を放養したが殖えなかった」とあり、養蜂を伝える最初の記述が残っています。



■蜂の減少問題
現在、蜂の減少は日本だけでなく、世界中で問題となっています。2011 年3 月10 日、国連環境計画(UNEP) はミツバチの世界規模な減少に言及する報告書を初めて発表し、蜂を保護する国際的な対策が必要だと警告を発しました。※UNEP は国際環境条約を策定する機関で、国際的な影響力は非常に大きい存在です。日本では1980 年のピーク時には32 万群のミツバチ飼養されていましたが30 年後の2010 年時には50%減少の17 万群。欧州ではミツバチの10 ~ 30%、米国では30%、中東では85%が死に絶えました。UNEP の報告書で世界のミツバチの数は「過去50 年間で45%近くの減少」と発表しています。減少の原因は複合的だとされ、農薬や大気汚染、寄生虫、環境破壊、花の咲く植物の減少、養蜂家が減ってしまったことなどが挙げられています。30 年前、44 億人だった世界の人口は今や70 億人。 食糧危機は必至です。この問題に対し、アメリカでは米国国内の研究機関に総額410 万ドルが支給されていますが、日本はというと、ほとんど対処していないのが現状です。

気候変動、環境破壊が大きな問題として取り沙汰される昨今、こうした問題にも取り組んでいただくことを心から願います。



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