つくば万博の跡地に作られた科学万博記念公園

1985年、茨城県つくば市にて行われた国際科学技術博覧会・通称つくば万博。
そのメイン会場の跡地に作られた科学万博記念公園は、一面広大な芝生へと生まれ変わりました。
学園都市の郊外に位置するこの公園は、360度生い茂る木々が周囲の喧騒をうまく遮断してくれます。
大自然が醸し出すその閑静な佇まいに出逢うと、まるで時が止まったかのような感覚に陥ります。
昔から貯水池として利用されていた南北に伸びる「ぽっちゃん湖」には、鷺などの水鳥が食事をしに訪れます。

日光を乱反射した眩い水面に目を細めて散策していると、光を飲み込むように口をぱくぱくさせ、色とりどりの鯉が集まって来ます。
春には満開の桜が、秋には美しい紅葉が憩いの空間を彩ってくれます。
科学の街ならではの施設や研究機関が立ち並ぶ人工的な空間にあって、広い土地を生かした自然との融合を目指している街づくりであることが分かります。

日々の慌ただしさから離れ、遠くから聞こえる虫たちの合唱や、親子連れの楽しくはしゃぐ声と共にゆっくりと流れるのどかな時間。
誰もが心休まるこの空間が、これからもこの場所にあり続けることを願わざるを得ません。
片岡心苑