公益財団法人 武田太加志記念能楽振興財団読み物東京都

《父志房、最後の演能》【春のご案内 4/21(日)花影会】

【春のご案内 4/21(日)花影会】《父志房、最後の演能》

この2月で82歳となった父・志房が、
今生(人生)最後の能(シテ)として「隅田川」を勤めます。

実は、父は3年前の持病COPD(肺気腫)発覚以来、日常的に「動くとき」は酸素を付けての生活を余儀なくされております。逆に言えば、酸素を付けずに動けば心臓へ負担がかかり、延いては寿命を少しずつ縮める事になります。

そういった中、2年前に父自身が決意し、多少寿命を縮める事になったとしても、やはり最後の区切りとしての能を舞っておきたいとの思いで、今回の演能が決まりました。発覚以来、朝夕の散歩・リハビリ運動、そして日々の謡い込み等を継続しております。

誤解を恐れずに言えば、生来天才肌の父が、恐らくこれまでの人生の中でも、最も頑張って生きているのが今なのではないかと感じております。父が定めた人生最後の能、きっと歴史に残る舞台になると思いますので、是非ご高覧賜りたくお願い申し上げます。

また当会では、現代では滅多に上演されない〈翁附脇能〉という、江戸時代から続く格式高い形式を、7年程続けて参りましたが、今春をもって一区切りと致します。この形式は、演者にも通常以上の心構えや緊張感を以て挑むのが通例となっており、同一人物が2番続けてシテを勤めるという、大変厳粛で厳かな舞台となります。区切りの回のシテは、父の従弟に当たる岡久広氏に願いました。父の隅田川と併せ、是非一度はご覧頂きたい上演形態です。

長文をお読み頂き、誠にありがとうございました。


武田友志/武田文志 拝


〈第55回 花影会〉
日時:4月21日(日)
13時開演(終演予定17:30)
場所:観世能楽堂(GINZASIX地下3階)


〈概要〉
能 「翁」「鶴亀」岡久広
狂言 「夷大黒」山本東次郎
舞囃子「忠 度」観世三郎太
能 「隅 田 川」武田志房


SS席17,600円(完売)
S席14,300円(残席僅か)
A席11,000円(残席僅か)
B席 8,800円(余裕あり)
C席 5,500円(余裕あり)


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