sara 桜羅読み物文化・伝承

「幽玄」・「侘 寂」

映画監督や作家から支持の多い明石散人氏は、著書「日本史千里眼」の中で

「日本の精神文化は、侘・寂だけで語りがちだが、実は「幽玄」「侘」「寂」の

三点セットで想わないと正しき日本の心は見えてこない」と述べています。

幽玄という言葉は「有り得ない美しさ」であり、すべての生物の誕生の瞬間を

表したものであり、物の形が決まる以前の意味なのだとか。

自然や生き物の誕生、そして瞬時に変化する姿、ものでは例えようのない美しさ。

それが幽玄といえるのでしょうか。

そして時間の移り変わる中で固定し、経過していくものが「侘」と言えるのだそうです。

日本人が伝世して使い込んだものに侘を感じるのは、そこに経過としての過去を視るからで、

例えば数百年前の利休が所有したものを、その後は遠州が使い、木戸孝允に伝わり・・

そして今の時代にという、こうした時間の経過を日本人は非常に大切にいたします。

「寂」は朽ちる事の美学であり、経過の終焉を意味し朽ちていくまでの時間に

想いを馳せることが寂なのだそうです。

[ – sara 桜羅 – ]

おすすめガイド