sara 桜羅読み物文化・伝承

白楽天図屏風

《白楽天図屏風》は、謡曲「白楽天」を画題にしたもので、
日本にやってきた唐の詩人、白楽天が、漁師(実は和歌の神様、
住吉明神の化身)と船の上で問答をし、和歌の偉大さを
思い知らされて中国に帰っていく場面が描かれています。

漁翁にお前は日本の者かと尋ねると漁翁は、
あなたは白楽天ですねと名乗ってもいないのにその名を
知っていることに驚きます。
白楽天は日本では何をして遊ぶのかを問う。

漁翁は逆に唐では何を遊ぶか問う。
楽天は唐では詩を作って遊ぶと言い
目の前の大海原の景色を漢詩にする。
すると漁翁はすぐさま和歌を作ってかえす。
日本は行きとし生けるものすべてが歌を詠むのだと言い、
楽天を感嘆させまた舞楽を奏して見せようと言い消え失せます。

やがて住吉明神が現れ、自分がいる間は決して日本を窺わせなどは
させないから速やかに帰りなさいと言い、舞楽を奏します。
そして八大龍王や伊勢・石清水・賀茂・春日など多くの神々が現れ、
舞の袖から起こる風にて楽天の船は中国へと
吹き返されてしまうのでした。

[ – sara 桜羅 – ]

おすすめガイド