【花影会】令和5年4月16日 観世能楽堂 第五十三回
故 武田太加志は、能楽の興隆のために誠心誠意尽くした昭和時代の能楽師の一人といえます。公益財団法人 武田太加志記念能楽振興財団は、故 武田太加志の遺志を受け継ぎ、能楽師の芸道の発展に努め、能楽並びに広く日本の芸能文化の普及に関する事業を行い、もって我が国の文化芸術の振興に寄与することを目的としています。
また、能楽が世界中の多くの人から愛され、親しまれるものであることに期待し、その歴史と先人達への畏敬の念を抱きながら、たくさんの方々へ日本文化の心をお伝えすることを目指します。
【花影会のはじまり】
第1回 花影会(昭和54年)より
武田太加志(重要無形文化財総合指定保持者)からのご挨拶
能の花
今年の秋、私の構想企画による能の会の第1回を催す。
皆様に私の芸を見ていただき、皆様にご後援願う会であるから、
武田太加志後援会と名付けてしまえば簡単であるし、主旨も良く判って下さるかと思うが、
そういう意味では誰方にもお願いしていない。
それは会名を考えて、一つの会を起こすということにも執着があったからだ。
そしてその会は、私自身も楽しく研鑽し、皆様には楽しく見ていただく会にしたい。
と、こう考えている。
さて、会名はまだ考えつかない。併し世阿弥が説いた花が、如何に大切で、
如何に大きなことであるかを思い、花一字をつけるところまでは心に決めている。
『夕顔』(武田太加志 著)より抜粋。