『夜と霧』世界的ベストセラー 極限状態から如何に希望を見いだしたか
人間が極限状態に陥るとどのようになるか、
また、その状況から如何に希望を見いだすか、
ヴィクトール・フランクルは『夜と霧』で
ナチス収容所での壮絶な体験を綴った。
精神科医であったヴィクトール・フランクルは、
収容所で頑健そうな人よりも、
繊細な、一見ひ弱に見える人の方が多く
生きながらえたという。
そんな繊細な心の方達の特徴に、
祈りを捧げ、生死を分ける中にも
わずかな希望を見いだすことができた人達だという。
わずかでも明日を信じ、
未来を信じることができた人は
生き延びることができた。
祈ることも出来ず、生きる希望もなくした人は、
感情をなくし、食べる事も動くことも気力がなくなり、
次々と命を落としていったという。
私も絶望の淵に自ら自分の命を絶とうとしたことがあるが、
真っ暗な極限状態の中に、心の奥底からわずかな希望の
火が灯り、生きる糧を見いだすことができた。
家族も親友も誰も自分を必要としなくなったら、
これほど空しいものはない。
誰かの為に生きる意味もなくなり、
生きている意味を見いだせなくなったら、おしまいなのだ。
人は弱い。
自分が思っている以上に弱い。
何かが起こった時に、弱さに直面する。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』は、
初版は1947年。日本には
1956年に出版されたのが初めてであったが、
東北大震災の後に、再び日本で見直されることになった。
『夜と霧』は、現在日本語を含め17カ国語(20言語)に翻訳され、
60年以上にわたって読み継がれている。
発行部数は、(20世紀内の)英語版だけでも累計900万部に及び、
1991年のアメリカ国会図書館の調査で
「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入ったという。
[ – sara 桜羅 – ]