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ある時公開寺院に変わると~東山・高台寺

京都の街中には、数多くの「拝観謝絶・非公開」の寺社仏閣が存在します。
ここ高台寺もその一つでした。
高台寺は、豊臣秀吉の正室、北政所ねねが隠遁したお寺です。東山散策をしていても閉門して中に入ることを拒絶していました。
1989年の春に一般公開が始まると東山散策の大きな観光スポットとなっていきます。
目の前の通りは、いつの間にか「ねねの道」と名乗るようになり、東大路へ抜ける小路も石塀小路と呼ばれるようにもなりました。
歴史を学んでいる者や歴史好きの方々にとって、「拝観謝絶」「非公開」の寺社仏閣が公開されることは、通年でなくとも好ましいことではありますが、一般公開とは両刃の刃とも言えます。周辺への経済効果も高いとおもいますが、様々な観光公害が発生する端緒にもなり得ます。
昨今、京都市は固定資産税等の収入が乏しく、一般企業で言う赤字状態であると言われています。寺社仏閣が非課税であることが最大要因と言われていますが、数多くの寺社仏閣と共存することによる善き方向に進まねば、日本の観光リーダーが崩れてしまいます。
大切なモノ・コトを将来に繋ぐこと、きちんと考えねばいけませんね。

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