sara 桜羅読み物文化・伝承食/四季折々の特産物

食と文化を学ぶ

日本の和食は世界中で注目を集めています。
日本人の精神性や伝統が織り込まれた料理(食文化)は、
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、海外から高い評価を得ています。
※「無形文化遺産」とは、芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、
土地の歴史や生活風習などと密接に関わっているもののこと。
日本は海、山、里と表情豊かな自然が広がっており、
各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。
四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、
これに寄り添うように育まれてきました。
また、風土環境により、その土地ならではの食べ物・名産があり、
歴史と共に歩んできました。各地の食べ物は人により工夫され、栽培や加工なども異なり、
先人たちの知恵により菌の発酵を利用するなど自然の力を使った食べ物も日本各地にあります。
これらは、もともと保存のために考案されたものでしたが、おいしさを追求して進化を遂げ、
その土地ならではの味となっていったのです。
そして食の文化には、各地で収穫される農作物や漁業の習慣、食物への感謝から
生まれる儀式や伝統文化、祭りなども深く関わってきます。
各地で近代化が進む昨今においては、都市化・過疎化などの理由から、
地域の 中でさまざまな行事の存在や習慣が消えていき、家庭でも地域でも
郷土料理が残らなくなってい ます。
食の文化を守るということは、日本の根底にある文化を守るということであります。
食の文化を探求することにより、各地の伝統文化を掘り起こし、食と文化の再評価に繋がります。
日本人の食物の歴史と生活の関わりについて、日本人だからこそ
認識を深め伝統を守る必要があると思います。
かつて、713年に元明天皇の詔により『風土記』が編纂されました。
風土記は、諸国に命じて撰進させた地誌であり、郡郷の名の由来、地形、産物、伝説等が記されています。
日本各地の情報が中央に集められたのです。国や郡、山河や地方の名前と由来、地質の豊かさ、
収穫できる産物、その地で伝わる昔話などをつぶさに記録した『風土記』を紐解くように、
改めて現代の日本の食と文化に目を向けたいと思います。
[ – sara 桜羅 – ]

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