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縄文の万葉集 第一回 恋歌

今も昔も、人々は純粋に人を愛し、
ひたむきに生きてきました。

古代の人は、厳しくも美しい自然環境と共存するなかで、
目に見えないものへの畏怖を抱き、
また、信じてきたのではないでしょうか。

想いや祈りなどは言葉にすることにより
「言霊」として言葉に力が授かると信じられ、
「結ぶ」ということで自分の魂を結び込め、
愛する人を守るという、祈りの行為だったといわれています。

男女の切ない願いが込められたこの歌は、
愛し合っている男女が共寝をして、その別れ際に詠んだ歌です。

白たへの 君が下紐 我さへに 今日結びてな 逢はむ日のため※作者不明(集歌 3181)

白い栲の夜着の貴方の下紐を、
今日は、貴方の手に私の手も添えて、一緒に結びましょう。
また逢う日のために。

古代では、男女が共寝をして別れる時には、
また会うことができるよう、祈りを込めて互いに肌着の紐を結び、
自分の恋しい気持ちを表現したといいます。

愛しい人への想いと共に、言葉も、祈りも、
古代の人にならい、忘れてはいけないとても大切な心掛けだと感じました。

 

[ – sara 桜羅 – ]

 

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